検証済みTOB事例

THEグローバル社のTOB・MBO事例:大東建託(2026-04-07公表・2026年収録)

大東建託によるTHEグローバル社の取得は、一般株主等には1,280円のTOB、親会社SBIには税務を織り込んだ894円の自己株式取得を用いる完全子会社化である。TOBには12,715,775株が応募され、大東建託は44.92%を直接取得した。結果資料の96.87%はSBIの51.95%を特別関係者として加えた手続上の表示で、同一企業の保有比率ではない。2026年7月18日時点では7月28日の上場廃止、30日の併合、31日の種類株式払込みが残っており、成立済みTOBと進行中の非公開化を分けて扱う。

主要条件

対象会社 THEグローバル社 3271
買付者 大東建託 THEグローバル社←大東建託
TOB価格 1,280円 比較基準株価: 1,005円
プレミアム +27.36% market_close
公開買付期間 2026/04/07 - 2026/05/22 公開買付代理人: SMBC日興証券
最終進捗 成立(一次資料で結果確認) 2026-05-23 / 大東建託株式会社による当社株式に対する公開買付けの結果並びに主要株主及びその他の関係会社の異動に関するお知らせ

TOB応募の確認事項

案件の読み方

条件メモ

買付価格は1,280円、比較基準株価は1,005円です。

プレミアムは+27.36%で、分類は標準的プレミアムです。

公開買付期間は2026/04/07 - 2026/05/22、進行状況は終了として整理しています。

最終進捗は成立(一次資料で結果確認)、最終イベントは2026-05-23の「大東建託株式会社による当社株式に対する公開買付けの結果並びに主要株主及びその他の関係会社の異動に関するお知らせ」です。

確認ポイント

  • THEグローバル社と大東建託の資本関係、応募契約、買付予定数の下限・上限、成立後の上場維持または非公開化方針を確認する。
  • 最終判断では速報だけでなく、対象会社の意見表明、公開買付届出書、訂正届出書、結果公表を確認する。

一次資料に基づく案件別分析

結論

大東建託によるTHEグローバル社の取得は、一般株主等には1,280円のTOB、親会社SBIには税務を織り込んだ894円の自己株式取得を用いる完全子会社化である。TOBには12,715,775株が応募され、大東建託は44.92%を直接取得した。結果資料の96.87%はSBIの51.95%を特別関係者として加えた手続上の表示で、同一企業の保有比率ではない。2026年7月18日時点では7月28日の上場廃止、30日の併合、31日の種類株式払込みが残っており、成立済みTOBと進行中の非公開化を分けて扱う。

確認した事実

  1. f033-transaction 確認済み 大東建託はTHEグローバル社を最終的に完全子会社化するため、一般株主等を対象とするTOB、株式併合、SBIホールディングスからの自己株式取得を組み合わせた。SBI保有分はTOBに応募させず、税効果を考慮した1株894円の自己株式取得へ回す二段階構造である。

  2. f033-terms 確認済み 公開買付価格は1株1,280円、期間は2026年4月7日から5月22日までの30営業日、買付予定数は13,600,924株、下限は4,165,600株で、上限は設定されなかった。決済開始日は5月28日とされた。

  3. f033-shareholder-structure 確認済み SBIホールディングスは14,705,000株、51.95%を保有しTOBへ応募しない契約を結んだ。一方、旭化成ホームズは2,795,600株、9.88%を応募する契約を締結した。いずれもTOB開始時点では大東建託の直接保有ではなく、SBI株はTOB後も自己株式取得までSBI自身の保有として残る。

  4. f033-business 確認済み THEグローバル社は首都圏の分譲マンション、収益物件、ホテル等の開発を行う。大東建託は用地情報、資金調達、施工・賃貸管理、販売網を組み合わせて不動産開発領域を広げ、対象会社は資金力と信用力を使って案件規模と回転を高める構想を示した。

  5. f033-negotiation 確認済み 大東建託の初回提案は2026年3月17日のTOB価格1,080円、自己株式取得価格799円だった。その後1,200円・839円、1,270円・887円へ引き上げ、特別委員会との協議を経て3月30日に1,280円・894円を最終提示した。対象会社側はさらなる増額を求めたが、大東建託は4月1日に最大価格だとして維持した。

  6. f033-price-valuation 確認済み 1,280円は公表前営業日2026年4月3日終値1,068円に19.85%、1か月平均923円に38.68%、3か月平均935円に36.90%、6か月平均933円に37.19%のプレミアムだった。対象者側KPMGの算定は市場株価法923~1,068円、DCF法1,148~1,559円で、価格はDCFレンジ内に位置した。フェアネス・オピニオンは取得していない。

  7. f033-result-ownership 確認済み TOBには12,715,775株が応募され、下限を上回ったため全て買い付けられた。決済後の大東建託の直接所有割合は44.92%である。結果資料上はSBIの51.95%を特別関係者分として併記し合計96.87%となるが、SBI株は別主体の直接保有であり、大東建託自身の44.92%へ足して同社の直接保有と表現してはならない。

  8. f033-current-status 確認済み 7月9日の臨時株主総会で株式併合が承認され、東京証券取引所は7月28日を上場廃止日、併合の効力発生日を7月30日として上場廃止を決定した。大東建託へのA種種類株式1株・86億円の第三者割当は7月31日払込み予定で、その資金を含むSBI株の自己株式取得は後続手続である。2026年7月18日時点ではTOBは成立済みだが、非公開化とSBIからの退出は未完了である。

背景

THEグローバル社は、土地を取得してマンション、収益物件、ホテルを開発し、売却で資金を回収するため、案件規模と資金回転が収益成長を左右する。SBI傘下で再建・成長してきたが、大東建託は賃貸住宅の建設・管理に加え、不動産開発を次の収益柱へ広げたい。開発案件の発掘力と大東建託の調達力を接続するという買収理由は、両社の資本構造と事業ポートフォリオの双方から説明できる。

取引は通常の全株応募型ではなく、51.95%を持つSBIがTOBに残り、少数株主等を先に現金化する順序を採った。これは法人株主の自己株式売却に生じる税効果を利用し、SBIの税引後手取りと一般株主向け価格を調整するためである。大東建託の44.92%だけでは単独で特別決議を可決できないため、SBIの議決協力と契約履行が後段の株式併合を支える設計だった。

なぜこの取引が選ばれたか

大東建託が取り込む中心的な能力は、首都圏での分譲・収益物件の用地取得と、ホテルを含む開発商品の組成である。対象会社にとっては信用力の高い親会社から資金を得やすくなり、仕入競争で意思決定を速められる。大東建託側では施工、賃貸管理、売却後管理までを束ね、単発の開発売却に管理収益を付加できる可能性がある。ただし開発在庫の増加は市況悪化時の損失も拡大するので、投資枠の拡大自体をシナジー実現と見なすべきではない。

86億円のA種種類株式は、SBIからの自己株式取得を成立させるための資本手当であり、営業上の成長投資とは区別する必要がある。取引後に大東建託が唯一の普通株主となれば、用地、工事、資金、販売の内部調整は進めやすい。一方で、親会社との工事発注や資金融通が対象会社単体に有利かを市場価格で検証する外部株主はいなくなるため、統合後は案件別利益率と資本回転を親会社開示から追う必要がある。

プレミアムの読み方

1,280円は4月3日終値比19.85%で、完全買収として極端に厚い上乗せではないが、1・3・6か月平均比では約37~39%となる。KPMGのDCF1,148~1,559円の中ほどにあり、独立価値の上限まで買い切った価格ではない。もっとも、提示は1,080円から200円引き上げられ、特別委員会の追加要請後に最終水準へ達した。フェアネス・オピニオンがないため、DCFの上半分を放棄する代わりに確実な現金化を選ぶ判断だったと評価し、算定レンジ内という理由だけで十分な価格と断定しない。

少数株主の論点

一般株主等はTOBまたは株式併合の端数処理を通じて1,280円で退出する一方、SBIは894円の自己株式取得へ進む。名目価格差は税務効果を前提に設計され、旭化成ホームズは一般株主と同じTOBへ応募した。重要なのは、結果時点で大東建託44.92%、SBI51.95%という二つの直接保有が併存したことである。96.87%は協調関係を示す合算値ではあっても、大東建託がその時点で96.87%を所有したことにはならず、SBI株の移転は後続する自己株取得まで完了しない。

結果の評価

TOBは下限4,165,600株に対し12,715,775株が応募して成立し、株式併合も7月9日に承認されたため、取引実行の確度は高い。しかし確認日には上場廃止も併合効力も到来しておらず、種類株式の払込みとSBIからの自己株取得も将来手続である。したがって現状は「一般株主等のTOB決済と併合承認は完了、完全子会社化は進行中」と判定する。7月末の予定日が開示されていることと、法的・資金的な手続が実行済みであることを混同しない。

確認できない点・限界

一次資料からは価格交渉、算定レンジ、応募結果、資本手続の日程を確認できるが、7月30日以後の併合効力、86億円払込み、SBI株の自己株式取得、最終的な大東建託単独所有はまだ結果資料で確認できない。開発案件ごとの取得原価、想定売却益、統合費用も非開示で、KPMGのDCF感応度の全組合せも再計算できない。取引完了後は自己株取得の結果とともに、棚卸資産回転、粗利率、ホテル・収益物件の売却実績を追う必要がある。

資料一覧

このTOBの位置づけ

案件タイプ

THEグローバル社は、土地を取得してマンション、収益物件、ホテルを開発し、売却で資金を回収するため、案件規模と資金回転が収益成長を左右する。SBI傘下で再建・成長してきたが、大東建託は賃貸住宅の建設・管理に加え、不動産開発を次の収益柱へ広げたい。開発案件の発掘力と大東建託の調達力を接続するという買収理由は、両社の資本構造と事業ポートフォリオの双方から説明できる。

取引は通常の全株応募型ではなく、51.95%を持つSBIがTOBに残り、少数株主等を先に現金化する順序を採った。これは法人株主の自己株式売却に生じる税効果を利用し、SBIの税引後手取りと一般株主向け価格を調整するためである。大東建託の44.92%だけでは単独で特別決議を可決できないため、SBIの議決協力と契約履行が後段の株式併合を支える設計だった。

読みどころ

大東建託が取り込む中心的な能力は、首都圏での分譲・収益物件の用地取得と、ホテルを含む開発商品の組成である。対象会社にとっては信用力の高い親会社から資金を得やすくなり、仕入競争で意思決定を速められる。大東建託側では施工、賃貸管理、売却後管理までを束ね、単発の開発売却に管理収益を付加できる可能性がある。ただし開発在庫の増加は市況悪化時の損失も拡大するので、投資枠の拡大自体をシナジー実現と見なすべきではない。

86億円のA種種類株式は、SBIからの自己株式取得を成立させるための資本手当であり、営業上の成長投資とは区別する必要がある。取引後に大東建託が唯一の普通株主となれば、用地、工事、資金、販売の内部調整は進めやすい。一方で、親会社との工事発注や資金融通が対象会社単体に有利かを市場価格で検証する外部株主はいなくなるため、統合後は案件別利益率と資本回転を親会社開示から追う必要がある。

1,280円は4月3日終値比19.85%で、完全買収として極端に厚い上乗せではないが、1・3・6か月平均比では約37~39%となる。KPMGのDCF1,148~1,559円の中ほどにあり、独立価値の上限まで買い切った価格ではない。もっとも、提示は1,080円から200円引き上げられ、特別委員会の追加要請後に最終水準へ達した。フェアネス・オピニオンがないため、DCFの上半分を放棄する代わりに確実な現金化を選ぶ判断だったと評価し、算定レンジ内という理由だけで十分な価格と断定しない。

一般株主等はTOBまたは株式併合の端数処理を通じて1,280円で退出する一方、SBIは894円の自己株式取得へ進む。名目価格差は税務効果を前提に設計され、旭化成ホームズは一般株主と同じTOBへ応募した。重要なのは、結果時点で大東建託44.92%、SBI51.95%という二つの直接保有が併存したことである。96.87%は協調関係を示す合算値ではあっても、大東建託がその時点で96.87%を所有したことにはならず、SBI株の移転は後続する自己株取得まで完了しない。

会社IR、法定開示、取引所開示などを案件単位で照合しています。一次資料は4件、確認日は2026-07-18です。

条件と進捗

開始種別開始

案件区分tob

スケジュール終了

応募期間2026-04-07 - 2026-05-22

イベント数2

上場・手続き上場廃止見込み

100株損益27,500円

3か月プレミアム+36.90%