TOBの基礎

TOB(株式公開買付け)とは

TOBは、買い手が目的、価格、期間、買付予定数などを先に公表し、株主へ公平な売却機会を示して株式などを買い付ける手続きです。 企業の買収、上場子会社の完全子会社化、MBO、資本提携などで使われます。

買い手が価格と期間を公表し、株主へ現金を支払い、株主から株式を取得して対象会社の支配権を得るTOBの全体像 買い手 条件を公表 株主
買い手は価格・期間・予定数を公表し、応募した株主へ現金を支払って株式を取得します。分散していた株式が買い手へ集まると、対象会社への持株比率が上がります。
TOBで起こること
  1. 1
    買い手が条件を公表

    買付価格・期間・予定数・目的・成立条件

  2. 2
    株主が選ぶ
    TOBに応募 市場で売却 保有を続ける
買い手

現金

株式

応募した株主

3買い手の持株比率が上がる

一部取得の場合 上場を維持 資本提携・子会社化など
全株取得を目指す場合 追加手続き → 上場廃止 株式併合などで残りの株式を取得
応募は株主の選択肢の一つです。TOBの目的と買付上限によって、成立後も上場を続ける案件と、非公開化へ進む案件に分かれます。

2026年5月1日から公開買付制度が変わりました

改正後の30%ルールでは、買付け後の株券等所有割合が30%を超える場合、原則として市場内取引か市場外取引かを問わず公開買付けが必要です。 旧制度の「3分の1ルール」を現在の基準として読まないよう注意してください。個別取引には適用除外があるため、実際の該当性は法令と最新の提出書類で確認します。

金融庁「これからの公開買付制度と大量保有報告制度」

TOBの意味と目的

TOBは英語の Takeover Bid の略で、日本語では「株式公開買付け」と呼ばれます。 公開買付者は公告と公開買付届出書で条件を示し、対象会社は意見表明報告書などで賛否や判断理由を示します。

非公開化を目指すTOB

買い手が対象会社の全株取得を目指し、成立後に株式併合などのスクイーズアウト手続きを経て上場廃止へ進む形です。MBOや親子上場解消でよく見られます。

上場を維持するTOB

資本提携、持分法適用会社化、連結子会社化などを目的に一部株式を取得し、TOB後も上場を維持する形です。買付上限と応募超過時の按分を確認します。

2026年の公開買付ルールで押さえる点

30%ルール

買付け後の所有割合が30%を超える一定の取引では、市場内外を問わず公開買付けが原則として必要です。

5%ルール

多数の相手から市場外で買い付け、買付け後の所有割合が5%を超える一定の取引が対象です。

株主の平等取扱い

価格、期間、数量、目的を開示し、対象となる株主へ公平な売却機会を設けることが制度の基本です。

ここでは制度の全体像を示しています。僅少買付け、グループ内取引などの適用除外や、特別関係者の扱いは個別に確認が必要です。

公表から決済までの流れ

  1. 1. 公開買付けを公表 公開買付者が価格、期間、予定数、目的、資金、成立条件を示します。
  2. 2. 対象会社が意見を表明 賛同・反対・中立、応募推奨の有無、特別委員会や価格算定の内容を確認します。
  3. 3. 株主が応募または市場売却を選ぶ 応募する場合は公開買付代理人の証券会社で必要な手続きを行います。
  4. 4. 応募数と成立条件を判定 買付下限、上限、応募契約などを踏まえ、成立・不成立や買付数を公表します。
  5. 5. 決済とその後の手続き 成立時は代金が支払われ、非公開化案件では株式併合や上場廃止へ進むことがあります。

確認する一次資料

公開買付届出書

買付価格、期間、目的、買付予定数、下限・上限、資金、応募契約、買付後の方針を確認します。

用語集で詳しく見る

意見表明報告書

対象会社の賛否、応募推奨、取締役会の判断、特別委員会、算定書、利益相反対応を確認します。

用語集で詳しく見る

訂正届出書・結果公表

価格変更、期間延長、条件変更、応募数、成立可否、取得後割合、決済日を追います。

訂正届出書を詳しく見る

国内の代表例

TOBは目的によって、その後の手続きが異なります。開始日、価格、目的、上場廃止までの流れを比較します。

株主が最初に確認する7項目

  1. 公開買付価格と現在の市場価格の差
  2. 公開買付期間と証券会社側の受付期限
  3. 買付下限・買付上限と不成立条件
  4. 対象会社の賛否と応募推奨の有無
  5. 価格算定と特別委員会の判断
  6. 成立後に上場を維持するか、非公開化するか
  7. 市場売却・TOB応募・継続保有で異なる税金、手数料、決済時期

TOB公表後の確認手順を詳しく見る

よくある質問

TOBが公表されたら必ず応募する必要がありますか?

必ず応募する必要はありません。市場で売却する、保有を続ける、TOBへ応募するという選択肢があります。買付価格、市場価格、成立条件、上場廃止予定、税金、手続期限を確認して判断します。

市場で売る場合とTOBへ応募する場合の違いは何ですか?

市場売却はその時点の市場価格で取引し、TOB応募は公開買付価格を前提に期間終了後の成立判定と決済を待ちます。応募には指定された公開買付代理人での口座手続きが必要になる場合があります。

TOBが成立すると必ず上場廃止になりますか?

必ずではありません。非公開化を目的とする案件では株式併合などを経て上場廃止へ進むことがありますが、資本提携や持分引き上げを目的として上場を維持するTOBもあります。

TOB価格は後から変わることがありますか?

あります。公開買付者は法令上認められる範囲で価格や期間などを変更することがあり、訂正届出書で公表します。最初の発表だけでなく、期間中の訂正資料も確認してください。

関連ページ

制度確認に使用した資料

法令の適用は取引内容によって異なります。このページは一般的な制度説明であり、法的助言ではありません。