検証済みTOB事例

豆蔵のTOB・MBO事例:Roodhalsgans 1(EQT)(2026-01-26公表・2026年収録)

豆蔵の非公開化では、EQT系が支配会社M&Iそのものを取得しながら、少数株主には3,551円のTOBを併設した。普通株4,334,958株が応募し、間接分と合わせ92.13%へ到達したため売渡請求へ進んだが、対象会社は取引に賛同しつつ応募について中立という珍しい判断を維持した。

主要条件

対象会社 豆蔵 202A
買付者 Roodhalsgans 1(EQT) 豆蔵←Roodhalsgans 1(EQT)
TOB価格 3,551円 公表前の実測終値は未確認
プレミアム +10.25% 3か月平均プレミアムからの逆算推計(実測終値ではありません)
公開買付期間 2026/01/26 - 2026/03/10 公開買付代理人: 野村証券
最終進捗 成立(一次資料で結果確認) 2026-03-11 / Roodhalsgans 1株式会社による当社株券等に対する公開買付けの結果並びに親会社及び支配株主等の異動に関するお知らせ

TOB応募の確認事項

案件の読み方

条件メモ

買付価格は3,551円です。公表前の実測終値は未確認で、3,221円は3か月平均プレミアムからの逆算推計値のため主要条件には使用しません。

プレミアムは+10.25%で、分類は標準的プレミアムです。

公開買付期間は2026/01/26 - 2026/03/10、進行状況は終了として整理しています。

最終進捗は成立(一次資料で結果確認)、最終イベントは2026-03-11の「Roodhalsgans 1株式会社による当社株券等に対する公開買付けの結果並びに親会社及び支配株主等の異動に関するお知らせ」です。

確認ポイント

  • 豆蔵とRoodhalsgans 1(EQT)の資本関係、応募契約、買付予定数の下限・上限、成立後の上場維持または非公開化方針を確認する。
  • 最終判断では速報だけでなく、対象会社の意見表明、公開買付届出書、訂正届出書、結果公表を確認する。

一次資料に基づく案件別分析

結論

豆蔵の非公開化では、EQT系が支配会社M&Iそのものを取得しながら、少数株主には3,551円のTOBを併設した。普通株4,334,958株が応募し、間接分と合わせ92.13%へ到達したため売渡請求へ進んだが、対象会社は取引に賛同しつつ応募について中立という珍しい判断を維持した。

確認した事実

  1. f008-structure 確認済み EQT系のRoodhalsgans 1は、豆蔵株10,912,500株、65.94%を持つM&Iの株式と新株予約権を既存株主から取得し、M&I保有株はTOBへ応募させない二層構造を採った。

  2. f008-terms 確認済み 普通株式の価格は1株3,551円、新株予約権は種類に応じ1個634円または550円で、期間は2026年1月26日から3月10日までだった。買付予定数の上限も下限も設定されなかった。

  3. f008-opinion 確認済み 豆蔵は企業価値向上の観点から取引に賛同したが、3,551円が公表前営業日の2026年1月22日終値4,070円を12.75%下回ったため、応募推奨はせず中立として株主判断に委ねた。

  4. f008-valuation 確認済み 特別委員会が取得した山田コンサルの算定では、市場株価法の範囲は1,947円から4,070円、DCF法は3,015円から4,164円で、3,551円はDCFの範囲内だった。同社は少数株主に財務的に公正との意見も出した。

  5. f008-growth-plan 確認済み 豆蔵はフィジカルAI・AIロボティクスへの継続投資、ソフトウェアのプロダクト化とサービス化によるストック収益化、営業力強化を経営課題とし、EQTは投資先網を使った顧客開拓と技術連携を支援する計画を示した。

  6. f008-itochu 確認済み 伊藤忠商事は共同支配者ではなく事業パートナーとして参加し、取引完了後に買付者親会社の議決権のない優先株式を原則10億円で引き受ける合意だった。

  7. f008-auction 確認済み M&Iは買い手探索で108社へ接触し、秘密保持契約を結んだ44社に豆蔵名を開示して入札を進めた。3,551円はこの競争過程で選ばれた最高提案を基礎としていた。

  8. f008-result 確認済み TOBには普通株式4,334,958株と新株予約権2,501,000個が応募し、全て取得された。決済後、買付者はM&Iを通じた間接保有と合わせ普通株式15,247,458株、議決権所有割合92.13%を持つ特別支配株主となった。

  9. f008-squeezeout 確認済み 豆蔵取締役会は2026年3月26日に、残存株式と新株予約権をTOBと同じ経済条件で取得する売渡請求を承認し、グロース市場からの上場廃止へ進むことを決めた。

背景

M&Iは開始前から65.94%を持ち、株式併合を可決できる議決権を事実上確保していた。それでもTOBを置いたのは、少数株主へ3,551円という明示価格と早期の現金化機会を示すためである。支配会社売買だけで完結させないことが、取引の透明性を補う役割を持った。

豆蔵は2024年6月に再上場してから短期間で再び非公開化を選んだ。背景には、フィジカルAIへの先行投資、ロボット制御ソフトの再利用、受託中心からストック収益への転換を同時に進める資金と営業基盤の不足がある。EQTと伊藤忠のネットワークを外部成長装置として使う構想だった。

なぜこの取引が選ばれたか

EQTの支援は資金供給だけではない。既存投資先からAI・クラウド案件を紹介し、ロボティクス企業との技術連携を通じて社会実装までの時間を短縮する。伊藤忠は議決権を持たず、顧客接点と10億円の優先資本を提供するため、経営支配と事業協業を役割分担した形である。

価格形成では108社への打診と44社参加の探索が競争性を与えた一方、M&Iが既に支配しているため少数株主の拒否だけでは取引を止めにくい。特別委員会は独自算定とフェアネス・オピニオンを用意し、価格は公正妥当と認めながら、応募推奨まで踏み込まない線を引いた。

プレミアムの読み方

3,551円は憶測報道前の市場水準や一部の市場株価法上限を上回り、DCF範囲にも入る。しかし公表前営業日の終値4,070円には12.75%届かなかった。報道で上がった期待を本源価値から除くか、実際に売却可能だった市場価格として重視するかで評価が分かれ、応募中立はその差を株主へ返した判断である。

少数株主の論点

少数株主は市場で4,070円を付けた局面を知りながら、確定額3,551円と比較する必要があった。ただし下限がなく、M&Iの議決権だけでも後続手続を進められるため、応募を見送って独立上場の継続を選ぶ余地は小さい。中立意見は価格への不満を認めても、支配権移転の確度を変えるものではなかった。

結果の評価

TOBとM&I取得により普通株の92.13%がEQT系へ集まり、会社法上の売渡請求を使える水準となった。3月26日の承認で残存株主を同額条件で整理する経路も確定し、公開買付け成立だけでなく非公開化の実行段階まで進んだ。応募中立でも4,334,958株が集まった事実は、支配構造を前提に現金化を選ぶ株主が多かったことを示す。

確認できない点・限界

EQTの顧客紹介、プロダクト化、AIロボティクスの社会実装は将来計画で、TOB資料から売上や利益への寄与を確定できない。再上場から短期間で非公開化することの妥当性も、3,551円の公正評価だけで決着する問題ではなく、投資成果と次の出口で検証が必要である。

資料一覧

このTOBの位置づけ

案件タイプ

M&Iは開始前から65.94%を持ち、株式併合を可決できる議決権を事実上確保していた。それでもTOBを置いたのは、少数株主へ3,551円という明示価格と早期の現金化機会を示すためである。支配会社売買だけで完結させないことが、取引の透明性を補う役割を持った。

豆蔵は2024年6月に再上場してから短期間で再び非公開化を選んだ。背景には、フィジカルAIへの先行投資、ロボット制御ソフトの再利用、受託中心からストック収益への転換を同時に進める資金と営業基盤の不足がある。EQTと伊藤忠のネットワークを外部成長装置として使う構想だった。

読みどころ

EQTの支援は資金供給だけではない。既存投資先からAI・クラウド案件を紹介し、ロボティクス企業との技術連携を通じて社会実装までの時間を短縮する。伊藤忠は議決権を持たず、顧客接点と10億円の優先資本を提供するため、経営支配と事業協業を役割分担した形である。

価格形成では108社への打診と44社参加の探索が競争性を与えた一方、M&Iが既に支配しているため少数株主の拒否だけでは取引を止めにくい。特別委員会は独自算定とフェアネス・オピニオンを用意し、価格は公正妥当と認めながら、応募推奨まで踏み込まない線を引いた。

3,551円は憶測報道前の市場水準や一部の市場株価法上限を上回り、DCF範囲にも入る。しかし公表前営業日の終値4,070円には12.75%届かなかった。報道で上がった期待を本源価値から除くか、実際に売却可能だった市場価格として重視するかで評価が分かれ、応募中立はその差を株主へ返した判断である。

少数株主は市場で4,070円を付けた局面を知りながら、確定額3,551円と比較する必要があった。ただし下限がなく、M&Iの議決権だけでも後続手続を進められるため、応募を見送って独立上場の継続を選ぶ余地は小さい。中立意見は価格への不満を認めても、支配権移転の確度を変えるものではなかった。

会社IR、法定開示、取引所開示などを案件単位で照合しています。一次資料は4件、確認日は2026-07-18です。

条件と進捗

開始種別開始

案件区分tob

スケジュール終了

応募期間2026-01-26 - 2026-03-10

イベント数2

上場・手続き上場廃止見込み

100株損益33,000円

3か月プレミアム+10.25%