検証済みTOB事例

インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人のTOB・MBO事例:投資ビークル(米スターウッド)(2021-04-07公表・2021年収録)

インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人に対するスターウッドのTOBは、スポンサーの同意を得ないまま始まり、最終22,500円まで二度増額しても不成立に終わった。応募348,378口は、引下げ後の下限3,877,247口の約9%にすぎず、価格競争がそのまま応募支持へ結び付かなかった。

主要条件

対象会社 インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人 3298
買付者 投資ビークル(米スターウッド) インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人←投資ビークル(米スターウッド)
TOB価格 22,500円 比較基準株価: 17,651円
プレミアム +27.47% market_close
公開買付期間 2021-04-07 - 2021-06-15 代理人不掲載
最終進捗 不成立 2021-08-30 / スターウッド公開買付けの不成立を含む投資口併合・規約変更の公式履歴

TOB応募の確認事項

案件の読み方

条件メモ

買付価格は22,500円、比較基準株価は17,651円です。

プレミアムは+27.47%で、分類は標準的プレミアムです。

公開買付期間は2021-04-07 - 2021-06-15、進行状況は終了として整理しています。

最終進捗は不成立、最終イベントは2021-08-30の「スターウッド公開買付けの不成立を含む投資口併合・規約変更の公式履歴」です。

確認ポイント

  • 条件変更が出た案件は、変更理由、下限変更、価格変更、応募見通しの修正がないかを時系列で確認する。
  • 不成立・撤回案件では、応募不足、規制・許認可、対抗提案、対象会社の反対姿勢など失敗要因を確認する。
  • インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人と投資ビークル(米スターウッド)の資本関係、応募契約、買付予定数の下限・上限、成立後の上場維持または非公開化方針を確認する。
  • 最終判断では速報だけでなく、対象会社の意見表明、公開買付届出書、訂正届出書、結果公表を確認する。

一次資料に基づく案件別分析

結論

インベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人に対するスターウッドのTOBは、スポンサーの同意を得ないまま始まり、最終22,500円まで二度増額しても不成立に終わった。応募348,378口は、引下げ後の下限3,877,247口の約9%にすぎず、価格競争がそのまま応募支持へ結び付かなかった。

確認した事実

  1. f1097-setting 確認済み 買付者は投資ビークル(米スターウッド)、対象はインベスコ・オフィス・ジェイリート投資法人である。外部ファンドによる上場REITへの敵対的提案と、スポンサー側の対抗買収が競合した案件である。

  2. f1097-terms 確認済み 最終買付価格は22,500円、公開買付期間は2021-04-07から2021-06-15までで、買付予定数の下限は3,877,247口とされた。

  3. f1097-opinion 確認済み 対象投資法人は価格の不十分さ、目的への疑義、投資口併合の強圧性を理由に反対した。

  4. f1097-strategy 確認済み 一次資料では、全投資口取得後の非公開化が買付目的として示され、対象側は資産運用方針、併合による退出、価格水準の三点を反対理由にした。

  5. f1097-premium 条件付き確認 22,500円は公表前価格17,651円に対して27.47%、3か月平均16,190円に対して38.98%だった。

  6. f1097-process 確認済み スターウッドは価格を20,000円から21,750円、さらに22,500円へ上げ、下限も段階的に引き下げた。

  7. f1097-result 確認済み 応募348,378口が最終下限3,877,247口に届かず、スターウッド公開買付けは不成立となった。買付け後の所有状況は取得なしである。

背景

スターウッドは上場オフィスREITの全投資口取得と非公開化を目指した。対象投資法人は、資産売却を含む運用方針が投資主共同の利益を損なうおそれ、投資口併合で反対投資主を退出させる強圧性、価値に比べた価格不足を挙げて反対した。

途中で既存スポンサーのインベスコ・グループが対抗提案を出したため、比較対象は平時の市場価格だけではなくなった。スターウッドが20,000円から21,750円、22,500円へ上げた後、スポンサー側は22,750円を示し、競合する買い手の実額が投資口価値の下限を押し上げた。

なぜこの取引が選ばれたか

下限は当初より縮小され、最終的に既保有分と合わせ議決権50%へ達する水準まで下げられた。それでも応募が遠く及ばなかったことから、成立条件の厳しさより、より高い対抗提案の存在と対象側の反対が投資主判断を左右したと考える方が自然である。

投資法人では会社法上の株式取得請求と同じ救済が使えないという論点も示された。非応募者を投資口併合で金銭化する設計の公正さが争われた点は、通常の事業会社MBOとは異なる。本件の価格改善は、特別委員会だけでなく実際の競争入札によって生じた。

プレミアムの読み方

下限は当初より縮小され、最終的に既保有分と合わせ議決権50%へ達する水準まで下げられた。それでも応募が遠く及ばなかったことから、成立条件の厳しさより、より高い対抗提案の存在と対象側の反対が投資主判断を左右したと考える方が自然である。二度の増額後も応募は最終下限の8.99%にとどまり、22,500円では反対意見を覆せなかったことが結果に表れた。

少数株主の論点

投資法人では会社法上の株式取得請求と同じ救済が使えないという論点も示された。非応募者を投資口併合で金銭化する設計の公正さが争われた点は、通常の事業会社MBOとは異なる。本件の価格改善は、特別委員会だけでなく実際の競争入札によって生じた。非応募を選んだ投資主はスターウッド案で強制退出せず、競合したスポンサー案の22,750円を選べる状態に残った。

結果の評価

スターウッドの公開買付けは2021年6月15日に終了し、取得は行われなかった。その後は別案件であるスポンサーTOBが成立したため、対象投資法人の最終的な非公開化とスターウッド案件の成否を混同してはならない。本件単体の結論は明確な不成立である。

確認できない点・限界

検証範囲はスターウッドによる三段階の価格改定、対象側の反対理由、応募348,378口と不成立の通知に限る。競合スポンサーによる非公開化後の物件売却、借換金利、1口当たりNAVは追跡しておらず、二提案の長期リターン比較までは行っていない。

資料一覧

このTOBの位置づけ

案件タイプ

スターウッドは上場オフィスREITの全投資口取得と非公開化を目指した。対象投資法人は、資産売却を含む運用方針が投資主共同の利益を損なうおそれ、投資口併合で反対投資主を退出させる強圧性、価値に比べた価格不足を挙げて反対した。

途中で既存スポンサーのインベスコ・グループが対抗提案を出したため、比較対象は平時の市場価格だけではなくなった。スターウッドが20,000円から21,750円、22,500円へ上げた後、スポンサー側は22,750円を示し、競合する買い手の実額が投資口価値の下限を押し上げた。

読みどころ

下限は当初より縮小され、最終的に既保有分と合わせ議決権50%へ達する水準まで下げられた。それでも応募が遠く及ばなかったことから、成立条件の厳しさより、より高い対抗提案の存在と対象側の反対が投資主判断を左右したと考える方が自然である。

投資法人では会社法上の株式取得請求と同じ救済が使えないという論点も示された。非応募者を投資口併合で金銭化する設計の公正さが争われた点は、通常の事業会社MBOとは異なる。本件の価格改善は、特別委員会だけでなく実際の競争入札によって生じた。

下限は当初より縮小され、最終的に既保有分と合わせ議決権50%へ達する水準まで下げられた。それでも応募が遠く及ばなかったことから、成立条件の厳しさより、より高い対抗提案の存在と対象側の反対が投資主判断を左右したと考える方が自然である。二度の増額後も応募は最終下限の8.99%にとどまり、22,500円では反対意見を覆せなかったことが結果に表れた。

投資法人では会社法上の株式取得請求と同じ救済が使えないという論点も示された。非応募者を投資口併合で金銭化する設計の公正さが争われた点は、通常の事業会社MBOとは異なる。本件の価格改善は、特別委員会だけでなく実際の競争入札によって生じた。非応募を選んだ投資主はスターウッド案で強制退出せず、競合したスポンサー案の22,750円を選べる状態に残った。

会社IR、法定開示、取引所開示などを案件単位で照合しています。一次資料は2件、確認日は2026-07-15です。

条件と進捗

開始種別開始

案件区分TOB

スケジュール終了

応募期間2021-04-07 - 2021-06-15

イベント数2

上場・手続き上場方針不掲載

100株損益不掲載

3か月プレミアム+38.98%