検証済みTOB事例

だいこう証券ビジネスのTOB・MBO事例:野村総合研究所(2020-04-30公表・2020年収録)

だいこう証券ビジネスに対する920円のTOBは、親会社の野村総合研究所が証券事務BPOを完全内部化する取引だった。株式・新株予約権換算で10,532,278株が応募され、買付者と特別関係者の合計は93.82%に達した。

主要条件

対象会社 だいこう証券ビジネス 8692
買付者 野村総合研究所 だいこう証券ビジネス←野村総合研究所
TOB価格 920円 比較基準株価: 558円
プレミアム +64.87% market_close_before_announcement
公開買付期間 2020-04-30 - 2020-06-15 代理人不掲載
最終進捗 成立(一次資料で結果確認) 2020-06-16 / 株式会社だいこう証券ビジネス株券等に対する公開買付けの結果に関するお知らせ

TOB応募の確認事項

案件の読み方

条件メモ

買付価格は920円、比較基準株価は558円です。

プレミアムは+64.87%で、分類は高プレミアムです。

公開買付期間は2020-04-30 - 2020-06-15、進行状況は終了として整理しています。

最終進捗は成立(一次資料で結果確認)、最終イベントは2020-06-16の「株式会社だいこう証券ビジネス株券等に対する公開買付けの結果に関するお知らせ」です。

確認ポイント

  • 高プレミアム案件では、競合提案、完全子会社化の必要性、シナジー説明、スクイーズアウト予定の有無を確認する。
  • だいこう証券ビジネスと野村総合研究所の資本関係、応募契約、買付予定数の下限・上限、成立後の上場維持または非公開化方針を確認する。
  • 最終判断では速報だけでなく、対象会社の意見表明、公開買付届出書、訂正届出書、結果公表を確認する。

一次資料に基づく案件別分析

確認した事実

  1. f933-setting 確認済み 野村総合研究所は51.78%を保有していただいこう証券ビジネスを完全子会社化し、証券バックオフィス業務とITサービスの意思決定を一体化する目的で公開買付けを行った。

  2. f933-terms 確認済み 最終買付価格は920円、期間は2020年4月30日から6月15日までの30営業日、下限は3,740,136株だった。

  3. f933-price 確認済み 920円は公表前終値558円に64.87%、3か月平均550円に67.27%を上乗せし、野村総合研究所側のDCF評価754円から1,011円の範囲内だった。

  4. f933-process 確認済み 親会社との利益相反に対応するため対象会社は独立した特別委員会、第三者算定機関、法律事務所を用い、取締役会は賛同と応募推奨を決議した。

  5. f933-result 確認済み 普通株式10,469,378株と新株予約権換算62,900株の合計10,532,278株が応募され、全て取得された。買付者の買付後所有割合は93.69%、特別関係者は0.13%、合計93.82%だった。

  6. f933-status 確認済み 公開買付けは成立し、残る株主を対象とする株式売渡請求が予定され、だいこう証券ビジネス株式は上場廃止へ進むこととなった。

背景

対象会社は口座管理や決済など証券会社の裏側を担い、野村総合研究所はシステム基盤を提供していた。業務処理とITを別会社の上場体制で調整するより、商品開発、障害対応、投資判断を同じ資本配分の下で進める合理性があった。

反面、親会社が既に過半数を握るため、第三者が対抗提案を成立させる余地は限定的だった。特別委員会や外部算定の役割は、統合シナジーの説明だけでなく、親会社が安く残余持分を取得しないかを検証する点にある。

なぜこの取引が選ばれたか

920円は終値558円を64.87%、3か月平均550円を67.27%上回る。短期と平均の双方で6割を超える上乗せは、支配株主取引で少数株主が交渉力を持ちにくい事情を価格面から補う厚い水準だった。

DCFレンジ754円から1,011円の中央付近より上に位置する一方、上限には届かない。将来のBPO効率化とNRI顧客基盤の相互利用をどこまで対象会社単独の価値へ帰属させるかで、評価の見方は変わる。

プレミアムの読み方

応募総数が下限の約2.82倍に達したことは、920円が投資家に広く受け入れられた結果である。ただし、応募の多さは価格の理論的公正さを証明するものではなく、上場廃止後の流動性喪失を避けたい行動も含む。

少数株主の論点

少数株主には現金化か、スクイーズアウトまで保有するかという時間差の選択が中心だった。93.82%まで集まったため売渡請求の実行可能性は高く、非応募で独立成長に参加し続ける選択肢は実質的に残らなかった。

結果の評価

TOB成立と93%超の確保により、完全子会社化の実行リスクは小さくなった。経済的な成果は、その後に証券事務の共同開発費が下がったか、外販BPOが伸びたかで測るべきであり、取得比率だけでは統合価値を確定できない。

確認できない点・限界

検証対象は公開資料にある算定レンジ、応募数、所有割合、非公開化方針である。統合後の案件別採算、システム移行費、顧客解約、少数株主への最終支払日を追っていないため、920円が事後的に最適だったとの断定は避ける。

このTOBの位置づけ

案件タイプ

対象会社は口座管理や決済など証券会社の裏側を担い、野村総合研究所はシステム基盤を提供していた。業務処理とITを別会社の上場体制で調整するより、商品開発、障害対応、投資判断を同じ資本配分の下で進める合理性があった。

反面、親会社が既に過半数を握るため、第三者が対抗提案を成立させる余地は限定的だった。特別委員会や外部算定の役割は、統合シナジーの説明だけでなく、親会社が安く残余持分を取得しないかを検証する点にある。

読みどころ

920円は終値558円を64.87%、3か月平均550円を67.27%上回る。短期と平均の双方で6割を超える上乗せは、支配株主取引で少数株主が交渉力を持ちにくい事情を価格面から補う厚い水準だった。

DCFレンジ754円から1,011円の中央付近より上に位置する一方、上限には届かない。将来のBPO効率化とNRI顧客基盤の相互利用をどこまで対象会社単独の価値へ帰属させるかで、評価の見方は変わる。

応募総数が下限の約2.82倍に達したことは、920円が投資家に広く受け入れられた結果である。ただし、応募の多さは価格の理論的公正さを証明するものではなく、上場廃止後の流動性喪失を避けたい行動も含む。

少数株主には現金化か、スクイーズアウトまで保有するかという時間差の選択が中心だった。93.82%まで集まったため売渡請求の実行可能性は高く、非応募で独立成長に参加し続ける選択肢は実質的に残らなかった。

会社IR、法定開示、取引所開示などを案件単位で照合しています。一次資料は2件、確認日は2026-07-15です。

条件と進捗

開始種別開始

案件区分TOB

スケジュール終了

応募期間2020-04-30 - 2020-06-15

イベント数2

上場・手続き上場方針不掲載

100株損益不掲載

3か月プレミアム+67.27%