検証済みTOB事例

富士機工のTOB・MBO事例:ジェイテクト(2017-04-28公表・2017年収録)

富士機工のTOBは、シート事業を切り出したうえでジェイテクトが残るステアリング関連事業を完全子会社化する事業再編型案件だった。740円は4月の初回公表前終値比22.72%で、11月開始後に32,625,113株が応募し、ジェイテクトの所有割合は95.01%へ上昇した。

主要条件

対象会社 富士機工 7260
買付者 ジェイテクト 富士機工←ジェイテクト
TOB価格 740円 比較基準株価: 603円
プレミアム +22.72% market_close_before_announcement
公開買付期間 2017-11-01 - 2017-12-14 代理人不掲載
最終進捗 成立(一次資料で結果確認) 2017-12-15 / 富士機工株式会社株券等に対する公開買付報告書

TOB応募の確認事項

案件の読み方

条件メモ

買付価格は740円、比較基準株価は603円です。

プレミアムは+22.72%で、分類は標準的プレミアムです。

公開買付期間は2017-11-01 - 2017-12-14、進行状況は終了として整理しています。

最終進捗は成立(一次資料で結果確認)、最終イベントは2017-12-15の「富士機工株式会社株券等に対する公開買付報告書」です。

確認ポイント

  • 富士機工とジェイテクトの資本関係、応募契約、買付予定数の下限・上限、成立後の上場維持または非公開化方針を確認する。
  • 最終判断では速報だけでなく、対象会社の意見表明、公開買付届出書、訂正届出書、結果公表を確認する。

一次資料に基づく案件別分析

結論

富士機工のTOBは、シート事業を切り出したうえでジェイテクトが残るステアリング関連事業を完全子会社化する事業再編型案件だった。740円は4月の初回公表前終値比22.72%で、11月開始後に32,625,113株が応募し、ジェイテクトの所有割合は95.01%へ上昇した。

確認した事実

  1. f83-structure 確認済み ジェイテクトは富士機工株式17,760,000株を保有し、シート事業の譲渡と残存事業の完全子会社化を組み合わせる取引を2017年4月28日に公表した。

  2. f83-timing 確認済み 関連取引の前提を経て、公開買付期間は2017年11月1日から12月14日までの30営業日となった。

  3. f83-price 確認済み 買付価格740円は初回公表前営業日4月27日終値603円に22.72%、1か月平均549円に34.79%、3か月平均550円に34.55%を上乗せした。

  4. f83-terms 確認済み 買付予定数は35,272,879株、下限17,595,600株、上限なしで、既存保有分と合わせ議決権の3分の2以上となる水準が下限だった。

  5. f83-result 確認済み 応募・取得数は32,625,113株で下限を大幅に上回った。

  6. f83-ownership 確認済み 既存持分を合わせたジェイテクトの買付後所有割合は95.01%となり、富士機工には完全子会社化手続が予定された。

背景

単純に上場会社全体を買うのではなく、富士機工のシート事業とステアリング事業を別の担い手へ配置することが取引の前提だった。ジェイテクトは既に17,760,000株を保有しており、自社事業との統合対象を明確にしてから残余株式を取得した。

4月の公表から11月の買付開始まで半年空いたため、開始直前の市場価格739円は既に740円の条件と再編内容を織り込んでいた。開始前日比0.14%だけを表示すると、初回公表前株主へ提示された22.72%の上乗せを見失う。

なぜこの取引が選ばれたか

740円は4月27日終値603円比22.72%に対し、1か月・3か月平均比では約34.7%だった。公表前日の株価が平均を上回っていたため基準で差が出るが、いずれも正のプレミアムである。関連取引を含む不確実性への対価を読み取るには複数期間の比較が有効だ。

応募32,625,113株は下限17,595,600株の約1.85倍で、既存分と合わせ95.01%に到達した。買付予定数には約265万株届かなかったが、後続手続に必要な支配水準を十分確保している。事業切出しを伴う複雑さは応募不足による不成立には結び付かなかった。

プレミアムの読み方

代表値は初回公表前の603円比22.72%と3か月平均550円比34.55%である。11月開始前739円比0.14%は、半年間の公表効果を含む補助値として区別する。開始日を公表日と誤認するとプレミアムがほぼゼロに見えるため、イベント日付の修正が価格修正と同じくらい重要である。

少数株主の論点

株主はTOB価格だけでなく、シート事業譲渡後に何が対象会社へ残るかを評価する必要があった。応募すれば740円を確定でき、非応募でも完全子会社化で同額基準の交付を受ける予定だったため、再編後の独立上場会社へ投資を続ける選択肢は残されていない。

結果の評価

95.01%への到達で完全子会社化の入口は確実に通過し、ジェイテクトが対象事業を統合する直接目的は達成された。応募の厚さも条件への支持を示す。ただしシート事業譲渡とステアリング事業統合の最終完了、統合後の調達・開発効果は公開買付報告書の範囲を超える。

確認できない点・限界

本稿はTOB部分の一次資料を中心にし、シート事業譲渡契約の全条件、競争法手続、株式併合と上場廃止の日程、統合後のセグメント利益を検証していない。開始前日価格は補足にとどめ、初回公表前基準を代表値とした。

このTOBの位置づけ

案件タイプ

単純に上場会社全体を買うのではなく、富士機工のシート事業とステアリング事業を別の担い手へ配置することが取引の前提だった。ジェイテクトは既に17,760,000株を保有しており、自社事業との統合対象を明確にしてから残余株式を取得した。

4月の公表から11月の買付開始まで半年空いたため、開始直前の市場価格739円は既に740円の条件と再編内容を織り込んでいた。開始前日比0.14%だけを表示すると、初回公表前株主へ提示された22.72%の上乗せを見失う。

読みどころ

740円は4月27日終値603円比22.72%に対し、1か月・3か月平均比では約34.7%だった。公表前日の株価が平均を上回っていたため基準で差が出るが、いずれも正のプレミアムである。関連取引を含む不確実性への対価を読み取るには複数期間の比較が有効だ。

応募32,625,113株は下限17,595,600株の約1.85倍で、既存分と合わせ95.01%に到達した。買付予定数には約265万株届かなかったが、後続手続に必要な支配水準を十分確保している。事業切出しを伴う複雑さは応募不足による不成立には結び付かなかった。

代表値は初回公表前の603円比22.72%と3か月平均550円比34.55%である。11月開始前739円比0.14%は、半年間の公表効果を含む補助値として区別する。開始日を公表日と誤認するとプレミアムがほぼゼロに見えるため、イベント日付の修正が価格修正と同じくらい重要である。

株主はTOB価格だけでなく、シート事業譲渡後に何が対象会社へ残るかを評価する必要があった。応募すれば740円を確定でき、非応募でも完全子会社化で同額基準の交付を受ける予定だったため、再編後の独立上場会社へ投資を続ける選択肢は残されていない。

会社IR、法定開示、取引所開示などを案件単位で照合しています。一次資料は2件、確認日は2026-07-16です。

条件と進捗

開始種別開始

案件区分TOB

スケジュール終了

応募期間2017-11-01 - 2017-12-14

イベント数2

上場・手続き上場方針不掲載

100株損益不掲載

3か月プレミアム+34.55%