検証済みTOB事例

イーター電機工業のTOB・MBO事例:山陽電子工業(2016-08-30公表・2016年収録)

イーター電機工業案件は、山陽電子工業が6円で3,980,000株を取得し、特別関係者込み43.78%となった非上場会社への経営支援型部分TOBである。上限5,000,000株、下限なしで支配権取得を企図せず、二年余り後の2018年12月27日に対象会社が破産した経緯まで含めて読む必要がある。

主要条件

対象会社 イーター電機工業 6891
買付者 山陽電子工業 イーター電機工業←山陽電子工業
TOB価格 買付総額は3750万円 比較基準株価: 参照株価不掲載
プレミアム 算定不可 M&A Online企業別TOB一覧のプレミアム
公開買付期間 2016-08-31 - 2016-10-17 代理人不掲載
最終進捗 成立(一次資料で結果確認) 2016-10-18 / イーター電機工業株式会社株券に対する公開買付報告書

TOB応募の確認事項

案件の読み方

条件メモ

買付価格は買付総額は3750万円、比較基準株価は参照株価不掲載です。

プレミアムは算定不可で、分類はプレミアム算定不可です。

公開買付期間は2016-08-31 - 2016-10-17、進行状況は終了として整理しています。

最終進捗は成立(一次資料で結果確認)、最終イベントは2016-10-18の「イーター電機工業株式会社株券に対する公開買付報告書」です。

確認ポイント

  • プレミアムを算定できない案件では、公開買付届出書、意見表明報告書、結果公表で買付価格、基準株価、算定根拠を直接確認する。
  • イーター電機工業と山陽電子工業の資本関係、応募契約、買付予定数の下限・上限、成立後の上場維持または非公開化方針を確認する。
  • 最終判断では速報だけでなく、対象会社の意見表明、公開買付届出書、訂正届出書、結果公表を確認する。

一次資料に基づく案件別分析

結論

イーター電機工業案件は、山陽電子工業が6円で3,980,000株を取得し、特別関係者込み43.78%となった非上場会社への経営支援型部分TOBである。上限5,000,000株、下限なしで支配権取得を企図せず、二年余り後の2018年12月27日に対象会社が破産した経緯まで含めて読む必要がある。

確認した事実

  1. f135-1 確認済み 山陽電子工業はイーター電機工業株式1,668,000株、12.34%を保有する筆頭株主で、経営支援強化のため上限5,000,000株、下限なしの部分TOBを実施した。

  2. f135-2 確認済み イーター電機工業は2016年7月25日に上場廃止となり、TOB公表時に取引所市場価格は存在せず、6円は上場廃止前の最終取引価格を参考に交渉された。

  3. f135-3 確認済み 公開買付者は最大5,000,000株を追加取得しても経営権を取得する意図はないと明記し、上限取得時の直接所有割合は49.34%とされた。

  4. f135-4 確認済み 公開買付期間は2016年8月31日から10月17日までの31営業日で、応募数が上限以下なら全応募株式を取得する条件だった。

  5. f135-5 確認済み 応募・取得数は3,980,000株で上限を下回り、報告書上の買付後所有割合は特別関係者分を含め43.78%となった。

  6. f135-6 確認済み TOB価格6円は上場廃止前の売買最終日2016年7月22日終値6円と同額で、同日までの3か月平均25円に76.00%のディスカウントだった。

  7. f135-7 確認済み イーター電機工業は事業改善を果たせず、2018年12月25日に第1回不渡りを出した後、同月27日に破産を申し立て同日開始決定を受けた。

背景

対象会社は電源機器事業の業績悪化で上場廃止に至り、山陽電子工業は既保有12.34%の筆頭株主として追加資本関係を築こうとした。TOBは完全子会社化や非公開化のためではなく、既に非上場となった会社への関与を強め、取引・技術面の支援を続ける枠組みだった。

公表時点で市場売買はなく、6円は2016年7月25日の上場廃止前に形成された最終取引価格を参考に当事者間で決められた。価格が極端に低いことは確かだが、上場廃止、財務悪化、換金困難という条件を外して通常の上場TOB価格と比較すると取引の意味を誤る。

なぜこの取引が選ばれたか

上限5,000,000株は山陽電子工業の追加関与を一定範囲へ抑え、下限なしは応募が少なくても支援を進める意思を示した。上限取得時でも直接49.34%とされ、経営権を取得する意図がないとの明記は、支配株取得型TOBではなく任意の流動性提供に近い設計を裏付ける。

実際の応募3,980,000株は上限を下回り全て取得された。報告書の43.78%は特別関係者分を含み、直接持分とは区別が必要である。成立自体は予定条件を満たしたものの、経営支援が事業継続を保証したわけではなく、その後の破産が結果評価を大きく変える。

プレミアムの読み方

上場廃止前の売買最終日終値6円に対する騰落率は0%、同日まで3か月平均25円比ではマイナス76.00%である。ただしTOB公表前営業日の市場終値ではないため、代表プレミアム欄は非算出とし、この価格背景を通常の上場会社TOBランキングへ混ぜない。

少数株主の論点

非上場株主には乏しい換金機会の中で6円売却が提示され、上限未満だったため応募分は全て買い取られた。残存株主は再建の上振れを持つ一方、流動性、情報、信用リスクを負い続けた。2018年の破産は、そのリスクが最終的に顕在化したことを示す。

結果の評価

TOBは3,980,000株取得という短期の執行目標では成立したが、経営支援の長期目的は達成できなかった。イーター電機工業は2018年12月25日の不渡り後、27日に事業継続を断念して破産手続へ入っており、6円取得を再建成功の証拠として扱うことはできない。

確認できない点・限界

公開買付報告書は2016年の応募数と所有割合を確定し、2019年提出の臨時報告書は2018年12月27日の破産を確認する。ただしTOB後から破産までの個別支援額、資金繰り悪化の時系列、投資回収は開示資料だけでは不足し、破産原因をTOB単独へ帰属させることもできない。

資料一覧

このTOBの位置づけ

案件タイプ

対象会社は電源機器事業の業績悪化で上場廃止に至り、山陽電子工業は既保有12.34%の筆頭株主として追加資本関係を築こうとした。TOBは完全子会社化や非公開化のためではなく、既に非上場となった会社への関与を強め、取引・技術面の支援を続ける枠組みだった。

公表時点で市場売買はなく、6円は2016年7月25日の上場廃止前に形成された最終取引価格を参考に当事者間で決められた。価格が極端に低いことは確かだが、上場廃止、財務悪化、換金困難という条件を外して通常の上場TOB価格と比較すると取引の意味を誤る。

読みどころ

上限5,000,000株は山陽電子工業の追加関与を一定範囲へ抑え、下限なしは応募が少なくても支援を進める意思を示した。上限取得時でも直接49.34%とされ、経営権を取得する意図がないとの明記は、支配株取得型TOBではなく任意の流動性提供に近い設計を裏付ける。

実際の応募3,980,000株は上限を下回り全て取得された。報告書の43.78%は特別関係者分を含み、直接持分とは区別が必要である。成立自体は予定条件を満たしたものの、経営支援が事業継続を保証したわけではなく、その後の破産が結果評価を大きく変える。

上場廃止前の売買最終日終値6円に対する騰落率は0%、同日まで3か月平均25円比ではマイナス76.00%である。ただしTOB公表前営業日の市場終値ではないため、代表プレミアム欄は非算出とし、この価格背景を通常の上場会社TOBランキングへ混ぜない。

非上場株主には乏しい換金機会の中で6円売却が提示され、上限未満だったため応募分は全て買い取られた。残存株主は再建の上振れを持つ一方、流動性、情報、信用リスクを負い続けた。2018年の破産は、そのリスクが最終的に顕在化したことを示す。

会社IR、法定開示、取引所開示などを案件単位で照合しています。一次資料は3件、確認日は2026-07-16です。

条件と進捗

開始種別開始

案件区分TOB

スケジュール終了

応募期間2016-08-31 - 2016-10-17

イベント数3

上場・手続き上場方針不掲載

100株損益不掲載

3か月プレミアム算定不可