案件タイプ
対象会社は当時未上場で、公開市場の不特定多数から広く買う案件というより、既存株主からまとまった持分を移す性格が強い。住友商事とLee A Danielsからの取得が記載され、ケーブル事業の株主構成をLiberty側へ寄せる取引だった。
314,743株・6.72%と8%・1億4,100万ドルは、基準となる株式種類、時点、売り手範囲が異なる可能性がある。資料間差を誤差として丸めず、対象会社提出書類の株数と株主表、買付者10-Kの経済取引をそれぞれの定義で保持する。
読みどころ
Libertyがケーブルテレビ会社への持分を増やせば、番組供給、ネットワーク投資、経営方針へ影響を強められる。ただし6.72%または8%だけで単独支配を得たとは言えず、他の関連会社持分や株主間契約を確認しなければ実質的な議決権を評価できない。
株主ローンの株式転換は出資比率を変えるが、住友商事等からの公開買付けとは別の資本取引である。買付対価と債権転換額を合算してTOB総額にせず、持分購入と財務再構成を切り分けることが合理性分析の前提になる。
Form 10-Kは持分8%の取得対価を1億4,100万ドルとするが、公開買付けの1株価格、対象株数の換算、評価方法は揃わない。未上場株式で比較市場価格もないため、金額を単純除算して買付価格を作らず、企業価値や支配プレミアムの評価は保留する。
売却株主は住友商事とLee A Danielsと記録される一方、他の株主にも同条件の応募機会があったかは不明である。未上場会社の持分移転では株主間契約、譲渡制限、情報権が重要であり、公開買付けという名称だけから上場TOBと同じ保護手続を推定しない。