案件タイプ
MBOは経営陣が非公開化後の運営に関与し、外部スポンサーと借入を組み合わせる取引である。DBJ表のエクイティ提供者とデット提供者はLBO型の資金構成を示すが、経営陣の出資額や買付目的会社の法的名称までは明らかにしない。
SBI資料は2007年の決算説明、DBJ資料は2006年の研究で、いずれも2003年当時の公開買付公告・結果通知ではない。一方、2006年にValue Up Fundが29%、伊藤園が51%を取得した経緯は、非公開化後も外部資本を段階的に受け入れたことを示す。
読みどころ
全国店舗網を持つ外食事業を市場の短期評価から切り離し、スポンサー資本と銀行融資で再構築することはMBOの一般的な狙いと整合する。ただし本案件でどの店舗、ブランド、費用構造を変える計画だったかは二資料にないため、具体的な再建策を推定しない。
117億円という買収金額は取引の規模感を示すが、負債引受けを含む企業価値か、株式価値か、公開買付け支払額かを表だけで確定できない。案件価値と1株対価を分け、後者は未特定として扱う。
1株買付価格、基準終値、平均株価がないため、プレミアムは算定できない。117億円を発行済株式数で機械的に割る方法は、負債やスポンサー出資を含む可能性を無視するため採用せず、株主向け価格評価は当時の公告取得まで保留する。
上場株主はMBOで退出したとみられるが、買付期間、応募条件、対象取締役会の賛否、少数株主保護策が未確認である。資金提供者の組合せだけで経営陣の利益相反や価格交渉を評価できず、非公開化した事実だけで公正な退出だったとは言えない。