検証済みTOB事例

大東建託のTOB・MBO事例:大東建託(2002-07-02公表・2002年収録)

大東建託の自己株式TOBでは、2,230円で最大8,000,000株を募ったのに対し、公開買付けへの応募・取得は422,100株だったと同時期報道で確認できる。一方、公式有価証券報告書は、同じ2002年6月27日の株主総会枠について最終的に8,000,000株を取得したと記録する。公開買付けの応募結果と、年間の自己株取得プログラム全体を分けて読む必要がある案件だ。

主要条件

対象会社 大東建託 1878
買付者 大東建託 大東建託←大東建託
TOB価格 2,230円 比較基準株価: 参照株価不掲載
プレミアム 算定不可 基準不掲載
公開買付期間 2002-07-03 - 2002-07-23 代理人不掲載
最終進捗 成立 2002-07-24 / 自己株式TOBの結果、普通株式422,100株を取得

TOB応募の確認事項

案件の読み方

条件メモ

買付価格は2,230円、比較基準株価は参照株価不掲載です。

プレミアムは算定不可で、分類はプレミアム算定不可です。

公開買付期間は2002-07-03 - 2002-07-23、進行状況は終了として整理しています。

最終進捗は成立、最終イベントは2002-07-24の「自己株式TOBの結果、普通株式422,100株を取得」です。

確認ポイント

  • プレミアムを算定できない案件では、公開買付届出書、意見表明報告書、結果公表で買付価格、基準株価、算定根拠を直接確認する。
  • 大東建託と大東建託の資本関係、応募契約、買付予定数の下限・上限、成立後の上場維持または非公開化方針を確認する。
  • 最終判断では速報だけでなく、対象会社の意見表明、公開買付届出書、訂正届出書、結果公表を確認する。

一次資料に基づく案件別分析

結論

大東建託の自己株式TOBでは、2,230円で最大8,000,000株を募ったのに対し、公開買付けへの応募・取得は422,100株だったと同時期報道で確認できる。一方、公式有価証券報告書は、同じ2002年6月27日の株主総会枠について最終的に8,000,000株を取得したと記録する。公開買付けの応募結果と、年間の自己株取得プログラム全体を分けて読む必要がある案件だ。

確認した事実

  1. f-daito-1 条件付き確認 同時期報道によると、大東建託は2002年7月2日に自己株式の公開買付け実施を公表した。

  2. f-daito-2 条件付き確認 報道された買付期間は2002年7月3日から7月23日までで、買付価格は1株2,230円だった。

  3. f-daito-3 条件付き確認 開始時の予定買付株数は8,000,000株だったと同記事は伝えている。

  4. f-daito-4 条件付き確認 応募者は5名、応募株式数は422,100株で、大東建託は応募株式の全てを取得したと報じられた。

  5. f-daito-5 条件付き確認 取得株式のうち270,000株は創業者兼社長の多田勝美からの応募で、同氏の議決権割合は10.16%から9.99%へ低下したとされる。

  6. f-daito-6 条件付き確認 同時期報道では決済開始日は2002年7月30日とされている。

  7. f-daito-7 確認済み 大東建託の第29期有価証券報告書によると、2002年6月27日の定時株主総会は普通株式8,000,000株、総額20,000,000,000円を上限とする自己株式取得を決議した。

  8. f-daito-8 確認済み 同報告書は、前決議期間に取得した自己株式を8,000,000株、取得価額総額を19,441,815,000円と記載している。

  9. f-daito-9 確認済み 第29期有価証券報告書では、取得枠の株数は全て実行され、残存する取得価額枠は558,185,000円、価額ベースの未行使割合は2.79%だった。

  10. f-daito-10 確認済み 同報告書の注記によると、2002年6月27日に決議した8,000,000株は、当時の発行済株式総数の5.88%に相当した。

  11. f-daito-11 確認済み 2003年6月27日時点の保有自己株式数は8,000,000株で、再評価差額金による消却目的の保有分はなかった。

  12. f-daito-12 確認済み 第29期有価証券報告書では、2003年6月27日時点までに当該取得自己株式の消却、合併・株式交換・会社分割に伴う移転、新株発行手続を準用した処分はいずれも記載されていない。

背景

自己株式の買付けには資本効率、株主還元、需給調整など複数の目的があり得るが、確保できた資料だけから会社が掲げた正式目的を再構成するのは危険である。公式に確認できるのは、株主総会が8,000,000株・200億円の取得枠を承認し、その株数が当時の発行済株式の5.88%に相当したことまでである。

公開買付けだけを見ると、予定8,000,000株に対し応募422,100株で、上限の約5.3%にとどまった。応募者は5名、そのうち270,000株が創業者兼社長からだったため、この部分は広範な株主の売却というより特定保有者の応募の影響が大きい。ただし、有価証券報告書では決議枠全体の取得株数が8,000,000株に達しており、TOB不調と自己株取得全体の未達を同義にはできない。

なぜこの取引が選ばれたか

多田勝美の議決権割合が10.16%から9.99%へ下がったとの報道は、創業者持分の調整という具体的効果を示す。ただし会社側の目的がその閾値調整だったとまでは資料に書かれておらず、結果から意図を逆算しない。

公開買付け部分の単純な買付代金は422,100株と2,230円の積で約9.41億円となる。一方、公式報告書が示す決議枠全体の取得価額は194.42億円であり、約185億円の差がある。後者には公開買付け以外の取得が含まれると考えるのが自然だが、その具体的な取得日・手法は今回の資料だけでは断定せず、二つの数字を別物として示す。

プレミアムの読み方

2,230円は同時期記事で確認した提示価格だが、直前終値、平均価格、ディスカウントの有無を裏付ける一次資料はない。自己株式TOBの価格は通常の支配権取得価格とは性質が異なり、大株主の応募条件との関係もあるため、未確認の市場比較を加えない。

少数株主の論点

応募者5名は希望株式を全て2,230円で売却できたと報じられる一方、非応募株主にとっては、決議枠全体で発行済株式の5.88%に相当する自己株取得が実行されたことの方が持分比率に効く。2003年6月27日時点では8,000,000株を保有し、消却や組織再編に伴う移転は記録されていないため、取得時点で直ちに発行済株式自体が減ったとは扱わない。創業者の議決権比率が10%をわずかに下回った点は、別のガバナンス上の変化である。

結果の評価

公開買付けは応募422,100株を全て取得して終了し、創業者からの270,000株応募によって同氏の議決権比率が9.99%へ下がった。その後を含む株主総会決議枠では8,000,000株を194.42億円で取得し、株数枠は全て使用、金額枠は5.58億円を残した。TOB単体の応募率は低いが、自己株取得計画全体の株数目標は達成したという二層の結果である。

確認できない点・限界

2002年の公開買付開始通知・結果通知そのものは確保できず、TOBの期間、2,230円、応募者5名、422,100株、創業者応募270,000株は同時期の専門媒体記事に依拠する。公式有価証券報告書は株主総会枠全体の取得実績を裏付けるが、公開買付け以外の7,577,900株がいつ、どの手法で取得されたかは確認できない。このため、公開買付け単体の結果と年間の自己株取得総額を合算・同一視しない。

このTOBの位置づけ

案件タイプ

自己株式の買付けには資本効率、株主還元、需給調整など複数の目的があり得るが、確保できた資料だけから会社が掲げた正式目的を再構成するのは危険である。公式に確認できるのは、株主総会が8,000,000株・200億円の取得枠を承認し、その株数が当時の発行済株式の5.88%に相当したことまでである。

公開買付けだけを見ると、予定8,000,000株に対し応募422,100株で、上限の約5.3%にとどまった。応募者は5名、そのうち270,000株が創業者兼社長からだったため、この部分は広範な株主の売却というより特定保有者の応募の影響が大きい。ただし、有価証券報告書では決議枠全体の取得株数が8,000,000株に達しており、TOB不調と自己株取得全体の未達を同義にはできない。

読みどころ

多田勝美の議決権割合が10.16%から9.99%へ下がったとの報道は、創業者持分の調整という具体的効果を示す。ただし会社側の目的がその閾値調整だったとまでは資料に書かれておらず、結果から意図を逆算しない。

公開買付け部分の単純な買付代金は422,100株と2,230円の積で約9.41億円となる。一方、公式報告書が示す決議枠全体の取得価額は194.42億円であり、約185億円の差がある。後者には公開買付け以外の取得が含まれると考えるのが自然だが、その具体的な取得日・手法は今回の資料だけでは断定せず、二つの数字を別物として示す。

2,230円は同時期記事で確認した提示価格だが、直前終値、平均価格、ディスカウントの有無を裏付ける一次資料はない。自己株式TOBの価格は通常の支配権取得価格とは性質が異なり、大株主の応募条件との関係もあるため、未確認の市場比較を加えない。

応募者5名は希望株式を全て2,230円で売却できたと報じられる一方、非応募株主にとっては、決議枠全体で発行済株式の5.88%に相当する自己株取得が実行されたことの方が持分比率に効く。2003年6月27日時点では8,000,000株を保有し、消却や組織再編に伴う移転は記録されていないため、取得時点で直ちに発行済株式自体が減ったとは扱わない。創業者の議決権比率が10%をわずかに下回った点は、別のガバナンス上の変化である。

会社IR、法定開示、取引所開示などを案件単位で照合しています。一次資料は1件、確認日は2026-07-19です。

条件と進捗

開始種別自己株式

案件区分自己株式TOB

スケジュール終了

応募期間2002-07-03 - 2002-07-23

イベント数1

上場・手続き上場方針不掲載

100株損益不掲載

3か月プレミアム算定不可