検証済みTOB事例

キヤノンシステムアンドサポートのTOB・MBO事例:キヤノン販売(2002-05-17公表・2002年収録)

キヤノンシステムアンドサポートの案件では、キヤノン販売が710円で9,110,811株を取得し、持分を50.01%から85.12%へ上げた。100%化は同時点のTOB実績ではなく、後日締結した株式交換契約で完結させる構造だった。

主要条件

対象会社 キヤノンシステムアンドサポート 8295
買付者 キヤノン販売 キヤノンシステムアンドサポート←キヤノン販売
TOB価格 710円 比較基準株価: 参照株価不掲載
プレミアム 算定不可 基準不掲載
公開買付期間 2002-05-20 - 2002-06-13 代理人不掲載
最終進捗 成立(一次資料で結果確認) 2002-06-14 / 公開買付けの結果に関するお知らせ

TOB応募の確認事項

案件の読み方

条件メモ

買付価格は710円、比較基準株価は参照株価不掲載です。

プレミアムは算定不可で、分類はプレミアム算定不可です。

公開買付期間は2002-05-20 - 2002-06-13、進行状況は資料準拠として整理しています。

最終進捗は成立(一次資料で結果確認)、最終イベントは2002-06-14の「公開買付けの結果に関するお知らせ」です。

確認ポイント

  • プレミアムを算定できない案件では、公開買付届出書、意見表明報告書、結果公表で買付価格、基準株価、算定根拠を直接確認する。
  • キヤノンシステムアンドサポートとキヤノン販売の資本関係、応募契約、買付予定数の下限・上限、成立後の上場維持または非公開化方針を確認する。
  • 最終判断では速報だけでなく、対象会社の意見表明、公開買付届出書、訂正届出書、結果公表を確認する。

一次資料に基づく案件別分析

結論

キヤノンシステムアンドサポートの案件では、キヤノン販売が710円で9,110,811株を取得し、持分を50.01%から85.12%へ上げた。100%化は同時点のTOB実績ではなく、後日締結した株式交換契約で完結させる構造だった。

確認した事実

  1. f-canon-ss-1 確認済み キヤノン販売はキヤノンシステムアンドサポートを完全子会社化する方針を公表し、その第一段階として公開買付けを行った。

  2. f-canon-ss-2 確認済み 買付期間は2002年5月20日から6月13日までの25日間で、買付価格は1株710円だった。

  3. f-canon-ss-3 確認済み 開始時の予定買付株数は12,972,521株で、キヤノン販売の買付前所有割合は50.01%だった。

  4. f-canon-ss-4 確認済み 1,421名から9,110,811株の応募があり、キヤノン販売は応募株式を全て取得した。

  5. f-canon-ss-5 確認済み 公開買付け後の保有株数は22,091,091株、所有割合は85.12%となった。

  6. f-canon-ss-6 確認済み 買付代金は6,468,675,810円で、決済開始日は2002年6月19日、代理人は日興コーディアル証券だった。

  7. f-canon-ss-7 確認済み 残存株式は別途締結された株式交換契約の対象となり、2002年11月1日に完全子会社化する日程が示された。

背景

買付前の50.01%は、親会社が既に経営支配を持っていたことを示す。目的は外部株主との争奪ではなく、グループ内のシステム販売・保守会社に残る少数持分を整理し、キヤノン販売との連結経営を一段深めることにあったと資料構造から読める。

12,972,521株を予定していたのに対し実際の応募は9,110,811株だった。予定を下回ったこと自体は失敗を意味せず、応募分を全て取得して85.12%を確保したうえで、残りを株式交換へ送る二つの出口を最初から組み合わせていた。

なぜこの取引が選ばれたか

TOBを先行させると、現金対価を望む株主は710円で退出でき、親会社は交換前に少数持分を大きく減らせる。85.12%という結果は完全所有ではないものの、後続再編の対象株数を抑え、販売・サポート組織の統合日程を具体化する橋渡しになった。

約64.69億円の現金支出は、NTC案件より大きいが、価値判断には対象会社の利益や評価資料が要る。ここで確実に言えるのは、6月19日にTOB決済を始め、7月に株式交換を契約したという順序であり、交換を買付株数へ足し戻さないことである。

プレミアムの読み方

710円の提示価格は一次資料で確定しているが、基準株価や算定書の評価レンジは今回採用した文書だけでは十分に再現できない。市場データから後付けしたプレミアム率を掲載せず、価格水準の評価は当時の終値系列と交換比率の根拠を取得してから行うのが妥当である。

少数株主の論点

1,421名の応募株主は710円で全量を売却できた。一方、応募しなかった株主は85.12%支配の会社に残り、11月1日の交換に向けた条件を受ける。現金化の時期、税務、交換対価の値動きが異なるため、両手段を同じ経済結果として単純比較しない注意が必要だ。

結果の評価

公式結果で25日間、710円、応募者1,421名、取得9,110,811株、取得後85.12%、買付代金6,468,675,810円、6月19日決済を確認した。さらに株式交換資料を別ソースで押さえたため、TOB成立と最終完全子会社化を時間軸上で正しく分離できる。

確認できない点・限界

取得結果は22,091,091株・85.12%として記録する。2002年11月1日の株式交換は別の後続手続であり、その完了実績と710円の価格算定詳細を確認していないため、TOB結果を100%取得と読み替えない。

資料一覧

このTOBの位置づけ

案件タイプ

買付前の50.01%は、親会社が既に経営支配を持っていたことを示す。目的は外部株主との争奪ではなく、グループ内のシステム販売・保守会社に残る少数持分を整理し、キヤノン販売との連結経営を一段深めることにあったと資料構造から読める。

12,972,521株を予定していたのに対し実際の応募は9,110,811株だった。予定を下回ったこと自体は失敗を意味せず、応募分を全て取得して85.12%を確保したうえで、残りを株式交換へ送る二つの出口を最初から組み合わせていた。

読みどころ

TOBを先行させると、現金対価を望む株主は710円で退出でき、親会社は交換前に少数持分を大きく減らせる。85.12%という結果は完全所有ではないものの、後続再編の対象株数を抑え、販売・サポート組織の統合日程を具体化する橋渡しになった。

約64.69億円の現金支出は、NTC案件より大きいが、価値判断には対象会社の利益や評価資料が要る。ここで確実に言えるのは、6月19日にTOB決済を始め、7月に株式交換を契約したという順序であり、交換を買付株数へ足し戻さないことである。

710円の提示価格は一次資料で確定しているが、基準株価や算定書の評価レンジは今回採用した文書だけでは十分に再現できない。市場データから後付けしたプレミアム率を掲載せず、価格水準の評価は当時の終値系列と交換比率の根拠を取得してから行うのが妥当である。

1,421名の応募株主は710円で全量を売却できた。一方、応募しなかった株主は85.12%支配の会社に残り、11月1日の交換に向けた条件を受ける。現金化の時期、税務、交換対価の値動きが異なるため、両手段を同じ経済結果として単純比較しない注意が必要だ。

会社IR、法定開示、取引所開示などを案件単位で照合しています。一次資料は3件、確認日は2026-07-17です。

条件と進捗

開始種別開始

案件区分TOB

スケジュール資料準拠

応募期間2002-05-20 - 2002-06-13

イベント数2

上場・手続き2002年10月28日上場廃止予定

100株損益不掲載

3か月プレミアム算定不可