{"schemaVersion":1,"@context":"https://schema.org","@type":"Article","identifier":"2024_025","headline":"図研エルミックのTOB・MBO事例：図研（2024-05-14公表・2024年収録）","description":"図研エルミック案件は、40.41％を保有して15年間連結してきた親会社が、ようやく事業の接点が増えたとして完全子会社化へ踏み込んだ取引である。対象会社は通信ミドルウェア中心から、ストリーミング技術を使う受託開発へ軸足を移して利益を回復していた。図研は430円のTOBで86.62％まで取得した。評価の焦点は、既存の親子関係では進まなかった連携が完全所有によって本当に加速するかにある。","canonicalUrl":"https://tobradar.com/tob/deals/2024-025/","machineReadableUrl":"https://tobradar.com/tob-data/cases/2024-025.json","catalogUrl":"https://tobradar.com/tob-data/cases.json","inLanguage":"ja","datePublished":"2026-07-18","dateModified":"2026-07-18","dataUpdatedAt":"2026-08-03T19:42:03.393Z","author":{"@type":"Person","name":"noru","url":"https://tobradar.com/about/"},"citation":[{"@type":"DigitalDocument","identifier":"s025-opinion","name":"意見表明報告書（株式会社図研による公開買付け）","url":"https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100TFJP.pdf","datePublished":"2024-05-14","publisher":{"@type":"Organization","name":"図研エルミック株式会社"},"encodingFormat":"application/pdf"},{"@type":"DigitalDocument","identifier":"s025-start","name":"図研エルミック株式会社（証券コード：4770）に対する公開買付けの開始に関するお知らせ","url":"https://www2.jpx.co.jp/disc/69470/140120240513592229.pdf","datePublished":"2024-05-13","publisher":{"@type":"Organization","name":"株式会社図研"},"encodingFormat":"application/pdf"},{"@type":"DigitalDocument","identifier":"s025-result","name":"支配株主である株式会社図研による当社株式に対する公開買付けの結果に関するお知らせ","url":"https://www2.jpx.co.jp/disc/47700/140120240624535246.pdf","datePublished":"2024-06-25","publisher":{"@type":"Organization","name":"図研エルミック株式会社"},"encodingFormat":"application/pdf"}],"recommendedCitation":"TOBレーダー「図研エルミックのTOB・MBO事例：図研（2024-05-14公表・2024年収録）」noru、記事確認 2026-07-18、https://tobradar.com/tob/deals/2024-025/（参照日を追記）","citationGuidance":["確認済み事実はfactsのsourceIdsとsourcesを対応させて確認してください。","analysisはnoruの独自分析であり、リンク先原資料の記述とは区別してください。","limitationsに記載した未確認事項を断定しないでください。"],"record":{"dealId":"2024_025","startDate":"2024-05-14","startStatus":"開始","startTitle":"図研＜6947＞、図研エルミック＜4770＞にTOB開始","startUrl":"https://maonline.jp/tobnews/2024_025a","finalStatus":"成立","lastEventDate":"2024-06-25","lastEventTitle":"図研＜6947＞、図研エルミック＜4770＞へのTOB成立","lastEventUrl":"https://maonline.jp/tobnews/2024_025b","eventCount":2,"caseUrl":"https://maonline.jp/db/tob/2024/1362","targetCode":"4770","targetName":"図研エルミック","bidderName":"図研","relationLabel":"図研エルミック←図研","offerPriceYen":430,"announcementPriceYen":326,"announcementPriceSource":"implied_3m_avg","premiumPct":31.9,"threeMonthPremiumPct":31.9,"tenderStartDate":"2024-05-14","tenderEndDate":"2024-06-24","tenderPeriodLabel":"2024-05-14 - 2024-06-24","sources":[{"title":"図研＜6947＞、図研エルミック＜4770＞にTOB開始","url":"https://maonline.jp/tobnews/2024_025a","source":"M&A Online","kind":"news","confidence":"medium"},{"title":"M&A Online TOBデータ","url":"https://maonline.jp/db/tob/2024/1362","source":"M&A Online","kind":"reference","confidence":"medium"},{"title":"M&A Online ニュース","url":"https://maonline.jp/news/20240513i","source":"M&A Online","kind":"news","confidence":"medium"},{"title":"楽天証券 公開買付銘柄","url":"https://www.rakuten-sec.co.jp/ITS/Companyfile/tob_20242.html","source":"楽天証券","kind":"reference","confidence":"medium"}],"scheduleStatus":"unknown","isMbo":false,"isHighPremium":true,"isLowPremium":false,"isDiscount":false,"bidderCode":"6947","year":2024,"caseStudyUrl":"https://tobradar.com/tob/deals/2024-025/","caseStudyJsonUrl":"https://tobradar.com/tob-data/cases/2024-025.json"},"research":{"schemaVersion":2,"year":2024,"dealId":"2024_025","editorialStatus":"publish_ready","researchedAt":"2026-07-18","reviewedAt":"2026-07-18","author":"noru","reviewedBy":"noru","evidenceMode":"primary_verified","sources":[{"id":"s025-opinion","tier":"primary","documentType":"target_opinion","publisher":"図研エルミック株式会社","title":"意見表明報告書（株式会社図研による公開買付け）","url":"https://disclosure2dl.edinet-fsa.go.jp/searchdocument/pdf/S100TFJP.pdf","publishedAt":"2024-05-14","accessedAt":"2026-07-18","documentId":"S100TFJP","mediaType":"application/pdf"},{"id":"s025-start","tier":"primary","documentType":"tender_offer_announcement","publisher":"株式会社図研","title":"図研エルミック株式会社（証券コード：4770）に対する公開買付けの開始に関するお知らせ","url":"https://www2.jpx.co.jp/disc/69470/140120240513592229.pdf","publishedAt":"2024-05-13","accessedAt":"2026-07-18","documentId":"140120240513592229","mediaType":"application/pdf"},{"id":"s025-result","tier":"primary","documentType":"result_notice","publisher":"図研エルミック株式会社","title":"支配株主である株式会社図研による当社株式に対する公開買付けの結果に関するお知らせ","url":"https://www2.jpx.co.jp/disc/47700/140120240624535246.pdf","publishedAt":"2024-06-25","accessedAt":"2026-07-18","documentId":"140120240624535246","mediaType":"application/pdf"}],"facts":[{"id":"f025-control","text":"図研はTOB開始前に図研エルミック株式2,539,690株、40.41％を保有し、2009年から同社を連結子会社としていた。","sourceIds":["s025-opinion","s025-start"],"locator":"意見表明報告書p.2・p.4／開始資料p.1・p.6「資本関係の沿革及び所有割合」","confidence":"confirmed"},{"id":"f025-business","text":"図研エルミックは通信・ストリーミング関連のミドルウェア、ソフトウェア製品、個別顧客向けの受託開発を提供し、2020年10月からストリーミング技術を使うソフトウェア開発へ経営資源を集中していた。","sourceIds":["s025-opinion"],"locator":"p.3「対象者の事業内容及び事業転換」","confidence":"confirmed"},{"id":"f025-synergy-lag","text":"両社は顧客基盤の一部を相互利用していたが、図研の設計・製造ソリューションと、図研エルミックが蓄積したネットワーク・ストリーミング技術には異なる要素があり、従来は事業提携の拡大が進まなかった。","sourceIds":["s025-opinion"],"locator":"p.4「従来の提携関係及びシナジーが限定的だった理由」","confidence":"confirmed"},{"id":"f025-rationale","text":"図研は完全子会社化により、設計システム・MBSEの知見、約50年で築いた顧客網、エンジニアと、対象会社の組込ソフトウェア・ストリーミング受託開発を共有し、共同提案、顧客開拓、人材採用・育成、長期投資、管理効率化を進める方針だった。","sourceIds":["s025-opinion","s025-start"],"locator":"意見表明報告書p.5-6／開始資料p.6-10「完全子会社化により期待される効果」","confidence":"confirmed"},{"id":"f025-negotiation","text":"価格協議では図研が405円、415円、425円へ提案を引き上げ、対象会社側が435円を求めた後、最終的に1株430円で合意した。","sourceIds":["s025-opinion","s025-start"],"locator":"意見表明報告書p.7-9／開始資料p.11-13「公開買付価格の交渉経緯」","confidence":"confirmed"},{"id":"f025-valuation","text":"対象会社がG-FASから取得した1株価値レンジは、市場株価平均法320円から326円、類似会社比較法317円から425円、DCF法378円から475円で、430円は類似会社レンジ上限を5円上回りDCFレンジ内だった。","sourceIds":["s025-opinion"],"locator":"p.11-12「G-FASによる当社株式の価値算定」","confidence":"confirmed"},{"id":"f025-premium","text":"430円は公表前営業日終値323円に33.13％、1か月平均321円に33.96％、3か月平均326円に31.90％、6か月平均320円に34.38％を上乗せした。","sourceIds":["s025-opinion","s025-start"],"locator":"意見表明報告書p.8・p.10／開始資料p.12・p.16「市場株価に対するプレミアム」","confidence":"confirmed"},{"id":"f025-terms","text":"TOBは2024年5月14日から6月24日までの30営業日、1株430円、買付予定数の下限1,650,110株、上限なしで実施された。","sourceIds":["s025-start","s025-result"],"locator":"開始資料p.18・p.32／結果資料p.2-3「公開買付けの概要」","confidence":"confirmed"},{"id":"f025-mom","text":"図研が40.41％を保有していたため、MoM条件は成立を不安定にして応募希望者の利益に資さない可能性があるとして設定されず、独立算定や特別委員会など他の公正性担保措置が採られた。","sourceIds":["s025-opinion"],"locator":"p.14-19「MoM条件を設定しない理由及び公正性担保措置」","confidence":"confirmed"},{"id":"f025-result","text":"2,904,336株が応募され全て取得され、図研の買付け後所有割合は86.62％となった。","sourceIds":["s025-result"],"locator":"p.3-4「公開買付けの成否及び買付け後の所有割合」","confidence":"confirmed"},{"id":"f025-squeeze","text":"図研はTOBで全株式を取得できなかった場合、株式併合によって図研エルミックを完全子会社化し、同社株式を上場廃止とする方針だった。","sourceIds":["s025-opinion","s025-start"],"locator":"意見表明報告書p.13-14／開始資料p.27-29「二段階買収及び上場廃止」","confidence":"confirmed"}],"analysis":{"lead":{"text":"図研エルミック案件は、40.41％を保有して15年間連結してきた親会社が、ようやく事業の接点が増えたとして完全子会社化へ踏み込んだ取引である。対象会社は通信ミドルウェア中心から、ストリーミング技術を使う受託開発へ軸足を移して利益を回復していた。図研は430円のTOBで86.62％まで取得した。評価の焦点は、既存の親子関係では進まなかった連携が完全所有によって本当に加速するかにある。","evidence":["f025-control","f025-business","f025-synergy-lag","f025-result"]},"background":[{"text":"図研は設計・製造プロセスを支えるソフトウェアに強く、図研エルミックは映像・通信を機器へ組み込む技術に強い。技術領域が隣接していても、かつての標準ミドルウェア販売では製品開発の周期と顧客ニーズが異なり、連結子会社化だけでは大きな共同事業に結び付かなかった。対象会社が個別受託開発へ移ったことで、図研顧客の具体的な開発課題へ入り込む接点が増えた。","evidence":["f025-business","f025-synergy-lag","f025-rationale"]},{"text":"組込ソフトウェアは技術者数が売上能力を制約する。図研の顧客網から案件だけを増やしても、対象会社の採用とプロジェクト管理が追いつかなければ外注費や納期遅延が増える。完全子会社化の価値は、親会社エンジニアの派遣、採用・育成の共通化、案件選別を同時に行い、受託開発の量と粗利を両立できるかで決まる。","evidence":["f025-rationale","f025-business"]}],"rationale":[{"text":"図研が掲げた共同提案は、設計データ、MBSE、組込ソフト、ストリーミングを一つの顧客課題として売る構想である。成功すれば対象会社は単発の下請受託から、製品開発の早期段階に参加する継続パートナーへ移れる。共通顧客への提案件数、受注単価、継続受注率、上流工程比率が、この質的変化を測る指標になる。","evidence":["f025-rationale","f025-business"]},{"text":"ただし図研は既に支配株主であり、顧客紹介や人材交流を全くできなかったわけではない。完全所有で初めて可能になるのは、利益の一部が外部株主へ流れることを気にせず長期投資し、経営資源を機動的に移すことだと説明された。統合後は投資額と成果を結び付けなければ、親子上場解消を事後的な効率化だけで正当化することになる。","evidence":["f025-control","f025-rationale","f025-synergy-lag"]}],"premiumView":{"text":"430円は直前終値へ33.13％を付け、対象会社の市場株価レンジと類似会社レンジを上回った。一方、DCF378円から475円では中央値付近にあり、上限との差は45円である。対象会社が435円を求めた後に5円低い430円で妥結した交渉は一定の上積みを示すが、親会社固有のシナジーを全て株主へ渡した価格ではない。市場価格を十分上回る一方でDCF上限には届かず、妥当だが突出して高い対価とは評価しにくい。","evidence":["f025-negotiation","f025-valuation","f025-premium"]},"shareholderAngle":{"text":"支配株主との取引では、対象会社の将来計画と顧客情報をよく知る図研が交渉上優位に立つ。MoMを置かなかった理由には実務合理性があるものの、独立株主の過半同意を成立条件にしたわけではない。少数株主は、独立したG-FAS算定、対象会社からの435円要求、特別委員会の検討、30営業日の市場チェックが、構造的な利益相反をどこまで補ったかを見る必要があった。","evidence":["f025-control","f025-mom","f025-negotiation","f025-valuation","f025-terms"]},"outcomeAssessment":{"text":"応募2,904,336株は下限を125万株超上回り、図研は86.62％を取得したためTOBは成功した。統合効果は、図研経由の新規受注、共通顧客売上、案件粗利、エンジニア採用数と離職率、開発プロジェクトの納期、ストリーミング以外の組込領域への展開で追うべきである。これらが改善しなければ、15年間進まなかったシナジーは資本比率ではなく事業構造に原因があったことになる。","evidence":["f025-result","f025-squeeze","f025-synergy-lag","f025-rationale"]},"limitations":[{"text":"本稿はTOB結果と後続手続の方針までを対象とし、株式併合、上場廃止、完全子会社化後の組織・人員・業績は確認していない。DCFの事業計画を独自再計算せず、共同顧客数、想定シナジー額、エンジニア投入計画も非開示のため、430円に織り込まれた統合価値を定量分解していない。","evidence":["f025-valuation","f025-rationale","f025-squeeze"]}]}}}